福岡の街で私はたくさんの答えを探している。
市内の高校に通う私は不思議な事件に遭遇する。
天神に向かうローカル電車で奇妙な婦人に出会ったり、
学園祭の舞台本番直前にシンデレラの衣装が消えてしまったり。
事件が起こるたびに解決の糸口を示してくれるのは、知り合いの大学院生、飛木さんだった。
解くことが叶わなかった問題も、真相に辿り着けなかった謎も全て覚えておこう。
いつの日か扉を開ける鍵が手に入ると信じて。
第23回鮎川哲也賞最終候補作を大幅改稿して贈る、透明感あふれる青春ミステリ。
<収録作>
「放課後スプリング・トレイン」
「学祭ブロードウェイ」
「折る紙募る紙」
「カンタロープ」