動く屍体、加速する殺戮、そして涙……。
葬儀場で次々と甦る死者たち。ある者は聡明に、ある者は餓鬼のように。2種類の「よみがえり」が意味することとは。第21回日本ホラー小説大賞受賞者が切り開く、モダンホラーの新たなる境地。閉塞感に満ちた田舎町で、大学進学の夢を諦め、父の葬儀社を継いだ遼一。ある日彼は、遺体が棺から起き上がり、他の遺体をむさぼり喰らうのを目にする。「死者がよみがえる葬儀社」の噂のせいで客足は激減し、遼一は調査に乗りだすことに。一方、遼一の妹で高校生の佐紀には、ある秘密があった。それは、霊が見えるということ。遼一に理解してもらえず、学校でも孤立している佐紀だが、ふと町の変化に気づく。佐紀は偶然出会った、同じく霊が見える颯太と共に、理由を探り始めるが……。
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