ひとつのクトゥルー作品をテーマに3人(複数)の作家が競作するオマージュ・アンソロジー。
第12弾は『死体蘇生者』に捧げる。

「女死体蘇生人ハーバル・ウエスト」井上雅彦
ブルックリンの深夜の波止場に黒衣の女が降り立つ。
ハーバル・ウエストと呼ばれたその女は、マフィアから大量の死体を買い付け、死体蘇生の研究をしていた。付き従う3人の男たちの名は、ウィルバー、エーリッヒ、ピックマン。彼女たちを襲う謎の組織・M財団、ひょんなきっかけで助けた元新聞記者のロバート・ブレイク、検死官のアーミティッジ博士など、人気キャラクターが勢ぞろいのアメコミ的クトゥルー神話、堂々登場!

「死神は飛び立った」樹シロカ
三坂(みさか)大学病院を揺るがす爆発事故。
偶然現場に居合わせた勤務医・佐々木は、死にゆく病理診断医から謎の言葉と共に薬を託される。それは本物の死体蘇生薬なのか?佐々木は謎を解くために友人の外科医・谷口と共に密かに実験を始める。その頃、病院の周囲では次々と奇怪な事件が起きていた。謎の薬が人にもたらすのは死神との決別か。それとも果てしない絶望か……?

「死体の呼び声」二木靖×菱井真奈
交通事故で生死をさまよい目覚めた時、科学者である俺は「死体蘇生」の実験に取り憑かれていた。ある日、見知らぬ大富豪から、事故死した息子を蘇らせる実験の協力を求められる。招かれた場所には同じような境遇の四人の科学者たちが集められていた。大富豪がアメリカのある施設の廃墟で発見したハーバート・ウェストの実験記録と蘇生液を元に、俺たちは研究を始める。だが、進めるうちにより新鮮な死体を求め、非道な行為に歯止めが利かなくなる。正気は失われ、研究目的すら変化してゆくのだった。邪神に運命を翻弄された者たちの残虐絵物語。