人の心が平均化されていく近未来。遙かなる山嶺を舞台とする軍事SFアクション。
生体通信によって個々人の認知や感情を人類全体で共有できる技術 “自己相" が普及した未来社会。
共和制アメリカ軍は、その管理を逃れる者を“難民"と呼んで弾圧していた。
軍と難民の間で揺れる軍属の人類学者シズマ・サイモンは、訪れたアンデスで謎の少女と巡り合う。
黄金郷から来たという彼女の出自に隠された、人類史を鮮血に染める自己相の真実とは?
クラウド時代の民族学が想像力を更新する、2010年代SFの最前線。
新世代が『虐殺器官』の問いとビジョンを継承する第2回ハヤカワSFコンテスト 受賞後第1作。