ストレイドッグス=野良犬たちの冒険が始まる――。
とにかくツイてない男・瀬尾は、借金返済のため、弟・シンジと共に組事務所に強盗に入るが、天性の不運さを発揮し、捕まってしまう。能勢の山中でいよいよ殺されようかという時、切羽詰まった瀬尾は咄嗟に「大金のアテがあるんです! 」と口走る。ある経済ヤクザが、組にも内緒で、中国から高級熱帯魚として名高いアロワナを密輸している。そのアロワナを瀬尾が盗み出し、金に変えようというのだ。しかし、そのヤクザとは、大阪・天満に根差し活動する、悪名高い経済ヤクザの加納。当然、瀬尾一人ではどうにもならない。その時、瀬尾はある一人の男の噂を思い出した。虎であろうとコブラであろうと、動物であれば必ず捕獲する、といわれる伝説のペット探偵・男鹿。その頃、大阪では「ペット連続失踪事件」が世間を賑わせていた。その犯人が加納だと、男鹿をだまし、アロワナ捕獲に向けて共に走り出すが……。鮮烈な美貌と特殊な「個性」を持った風俗嬢「アザミ」。この世に用意できないものはないと豪語する、裏社会の調達屋「凡蔵」。大阪を舞台に描く、笑えて切ないハードボイルド探偵小説。
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