2016年1月19日に、「第154回芥川賞・直木賞(平成27年度下半期)」 の選考会(日本文学振興会)が東京・築地「新喜楽」で開かれました。
芥川龍之介賞は、滝口悠生氏の『死んでいない者』と本谷有希子氏の『異類婚姻譚』の2作品W受賞。 直木三十五賞は、青山文平氏の『つまをめとらば』が選出されました。
今回、ミステリー・SF系の候補作『異郷の友人』『戦場のコックたち』『孤狼の血』は残念ながら、受賞にはなりませんでした。

<第154回芥川龍之介賞 候補作> ノミネート数
石田  千  『家へ』(群像7月号) 3回目
上田岳弘  『異郷の友人』(新潮12月号) 2回目
加藤秀行  『シェア』(文學界10月号) 初
滝口悠生  『死んでいない者』(文學界12月号) 2回目
松波太郎  『ホモサピエンスの瞬間』(文學界10月号) 3回目
本谷有希子 『異類婚姻譚』(群像11月号) 4回目

<第154回直木三十五賞 候補作> ノミネート数
青山文平  『つまをめとらば』(文藝春秋) 2回目
梶よう子   『ヨイ豊』(講談社) 初
深緑野分  『戦場のコックたち』(東京創元社) 初
宮下奈都  『羊と鋼の森』(文藝春秋) 初
柚月裕子  『孤狼の血』(KADOKAWA) 初

『異郷の友人』  
ねえ、神様。あんたにやってもらいたいことがある。世界を正しいあり方に戻すんだ。阪神大震災を予言し、信者を増やす淡路島の新興宗教。教祖Sはイザナキ、イザナミの国生みの地で、新たな世界創世を説いていた。ある日、アメリカ西海岸の秘密組織から男たちが訪ねてくる。彼らは何を企んでいるのか。すべてを見通す僕とは、いったい何者か? 世界のひずみが臨界点に達したとき、それは起きた――。 (2016.1.26発売)

『戦場のコックたち』
1944年6月、ノルマンディー上陸作戦が僕らの初陣だった。特技兵(コック)でも銃は持つが、主な武器はナイフとフライパンだ。新兵ティムは、冷静沈着なリーダーのエド、お調子者のディエゴ、調達の名人ライナスらとともに、度々戦場や基地で奇妙な事件に遭遇する。不思議な謎を見事に解き明かすのは、普段はおとなしいエドだった。忽然と消え失せた600箱の粉末卵の謎、オランダの民家で起きた夫婦怪死事件など、戦場の「日常の謎」を連作形式で描く、青春ミステリ長編。 
戦場のコックたち
深緑 野分
東京創元社
2015-08-29

 
『孤狼の血』
昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上のもとで、暴力団系列の金融会社社員が失踪した事件の捜査を担当することになった。飢えた狼のごとく強引に違法行為を繰り返す大上のやり方に戸惑いながらも、日岡は仁義なき極道の男たちに挑んでいく。やがて失踪事件をきっかけに暴力団同士の抗争が勃発。衝突を食い止めるため、大上が思いも寄らない大胆な秘策を打ち出すが……。正義とは何か、信じられるのは誰か。日岡は本当の試練に立ち向かっていく―—。 
孤狼の血
柚月裕子
KADOKAWA/角川書店
2015-08-29