阿呆の道よりほかに、我を生かす道なし。
待ちに待った「毛玉物語」再び! 天狗や人間にちょっかいを出しては狸界で顰蹙を買っている、京都下鴨家の三男狸・矢三郎は、まあまあ愉快に暮らしている。ところが、老いぼれ天狗・赤玉先生の跡継ぎである“二代目"が英国より帰朝すると、平和な街の気配が一変。天狗親子は大喧嘩、狸たちは覇権争い、狸を喰う人間たちは悪巧み、あちこちで多発する片思い……と、京都の街は混迷を極める。矢三郎の「阿呆の血」が騒ぐ! 一族の誇りをかけて、尊敬する師、愛する者たち、そして毛深き命を守れ! 天下無敵、融通無碍。史上、最も毛深い京都絵巻。

有頂天家族 二代目の帰朝
森見 登美彦
幻冬舎
2015-02-26
定価 1,836円
469ページ