“稀代の悪女” 天賦の美貌と巧みな話術で、人々の人生を狂わせる――。
野々宮恭子のクラスに、従姉妹の蒲生美智留が転校してきたのは中一の秋だった。美智留によって、イジメと再生不良性貧血という難病から救われた恭子は、美智留の美貌や明晰さに憧れ、心酔していく。やがてある出来事をきっかけに、二人は大きな秘密を共有するに至った。時を経て、27歳になった美智留は「生活プランナー」を名乗り、経済的不安を抱える顧客へのコンサルタント業を行なっていた。アシスタントは恭子だ。ストレス解消の散財によって借金を抱える銀行員の紗代、就職活動に失敗して家業を手伝う弘樹、働かない夫と育ちざかりの娘を抱え家計に困窮する佳恵…。美智留は「あなたは悪くない」と解決法を示唆するが…。人々はどのようにして美智留の罠に堕ちてゆくのか。美智留とは何者なのか!?奇才が描くノンストップ・ダークヒロイン・ミステリー。

嗤う淑女
中山 七里
実業之日本社
2015-01-31
定価 1,728円
344ページ