その日に、ぼくは父さんを殺すことにした。
ぼくの母さんが弔われるその日に、ぼくの父さんは祝言をあげた。だからぼくは、婚礼の義を冒涜することにした。日本一のヤクザ組織の長・早田征城。その愛人の息子・桂介は、外部組織でビジネスを担当していたが、組に入ることを決意する。母を捨てた征城を抹殺し、早田組を壊滅させるためだ。裏切り者であること、男でも女でもない「真性半陰陽」であること。二重の秘密を抱えながらも、桂介は着々とのし上がっていく。だが――。新人賞4冠を達成しデビューした著者、待望の新刊。父と子の人間ドラマを描いた、一気読み必死の王道エンターテイメント! 

しるしなきもの
真藤 順丈
幻冬舎
2015-01-28
定価 1,728円
354ページ