少女達の秘密の王国。そこに眠るのは――。
「あなたが……『幽霊』?」衣谷繭が生まれ育った田舎町。四年ぶりに戻ってきたこの町には今、空き地に幽霊が出るという噂があった――。かつて小さい頃から繭たちは常に仲良しの六人組で過ごしていた。だが繭が引っ越す直前、彼女たちを繋いでいた少女・小姫が、毎日のように遊んでいた空き地で、死体で見つかった。それは繭たちにとっては禁忌(タブー)の話題。そしてその話題に触れられた時、止まった過去は再び動き出す。少女たちが空き地で出会った時槻風乃がもたらすのは――。それは現代社会に蘇る「いばら姫」。恐怖の童話ファンタジーが紡がれる。

時槻風乃と黒い童話の夜 第3集 (メディアワークス文庫)
甲田学人
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2014-12-25
定価  637円
274ページ