アーネスト・G・アルグライト――英国の霊媒師一族の末裔で、息抜きのため時折日本を訪れる、21歳の美青年。彼は、友人の佐貴が働く喫茶店《リーベル》に度々立ち寄るため、店には「由緒正しい霊媒師がいる」との噂が流れていた。十一月のある晩、店にやってきた依頼人は艶やかな黒髪の美しい女性。彼女は「浜本理佳」と名乗り、「この電話番号の相手が、霊媒師の助けを必要としている」と、とまどう佐貴にメモを押しつけて立ち去る。仕方なくその電話番号に電話を掛けた佐貴は、意外な真実を知ることになる。浜本理佳は、一年前にすでに死んでいたというのだ…….。 ●  講談社ノベルス  予価 972円