限られた時の中で精一杯自分たちの命を生きた恋人たちの旅の記録。
なぜ、ふたりは引き離されなければいけなかったんだろう?わたしの魂はどこへ行くのかな?もう寛ちゃんと二度と会えなくなっちゃうのかな?そんなことないよね?それじゃ、あまりにも悲しすぎるもの。ありがとうね、寛ちゃん。坊やをよろしくね――。きみの声を頼りに、遠い遠い彼方の地に向かって、ひたすらペダルを漕ぎ続けるよ。そして、いつかきっときみを見つけてみせる。約束するよ。だからいまは、その日まで、さよなら、ぼくの愛しい奥さん――。戦時下に空襲に遭い、以来いつも怯えているナイーブすぎる祖父・寛太から、真は旅に同行するよう誘われた。どうしても今、寛太が会わなくてはならない人とは。語られる、せつなく悲しい愛の物語。寛太が自転車で、旅に出た本当の理由。『いま、会いにゆきます』から12年、著者が描きたかった真の愛のかたちが、今ここに。
定価 1,620円
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288ページ