新刊ミステリ ・ 新刊SF 【 ミステリーアイ 】

                        《ミステリー・SF・ホラー・ファンタジィ小説》 今月の新刊発売リスト。これから出る本。本日発売。

December 2014

古い本には逃れざる因縁が宿ります。
太宰治の『晩年』を奪うため、美しき女店主に危害を加えた青年。ビブリア古書堂の二人の前に、彼が再び現れる。今度は依頼者として。違う『晩年』を捜しているという奇妙な依頼。署名ではないのに、太宰自筆と分かる珍しい書きこみがあるらしい。本を追ううちに、二人は驚くべき事実に辿り着く。四十七年前にあった太宰の稀覯本を巡る盗難事件。それには二人の祖父母が関わっていたのだ。過去と現在、まるで再現されるかのような奇妙な巡り合わせに、薄気味悪さを感じる二人。それは偶然か必然か? 深い謎の先にある真実とは?

定価  616円
315ページ

おばけの皆さんの。お悩み解決いたします。
東京の有楽町と間違えて、おばけの町―幽落町に引っ越した僕・御城彼方。生身の人間なのに“あの世”と“この世”の中間の不安定な存在として、この町で1年間暮らさなければならなくなった僕は、大家さんでもある龍の化身の水脈さんに助けられながら、毎日を過ごしていた。そして今日も、水脈さんの営む駄菓子屋“水無月堂”には、悩みを抱えた“人ならざる者”が救いを求めてやって来る…。
204ページ

私たちの青春は、21の“学校の怪談”を撲滅すること。
超ド級の怖がり・大神澪は、事情により七不思議ならぬ“21の怪談”がある白首第四高校に入学してしまった。友達も作らず怪談を避ける日々を過ごしていたが、突然、破天荒な不良・雲英の脅しにより、「怪談撲滅委員会」―有害な怪談の殲滅を目指す組織の一員となることに。早速、“あかいちゃんちゃんこ”が出ると噂のトイレに連れていかれ…!? 超怖がり少女と不良青年が学校の怪談を“口撃”する、前代未聞の学園ホラー!
342ページ

心の奥底にある闇を描く、恐ろしくもせつないホラー短編集。
現代に生きる女性たちが抱える孤独が生み出す恐怖と哀しみを、情感豊かにつづった恐怖譚。顔も生き方も似ていない双子の姉妹が、過去の凄惨な事件に誘われる「薫衣草」、雪とともに蘇る残酷な記憶と、一人の女性のやるせない運命を静謐な筆致で綴る「雪を待つ」他、日常と地続きの恐怖を描く全5篇を収録。
収録作:「薫衣草」 「雪を待つ」 「隠されていたもの」 「ランチタイム」 「自滅」  

自滅
柴田 よしき
KADOKAWA/角川書店
2014-12-25
定価 1,512円
237ページ

その少女、名を僕僕。後に伝説となる仙人なり。
天地が今よりもずっと熱く、神々がその主人だった頃のお話。成熟を迎えた神仙たちの社会に、突如異変が襲った。水を司る神・拠比は、相棒の料理仙人・僕僕とともに異変を解消すべく、創造主・老君が天地開闢に用いた宝具「一」を探す旅に出る。時を同じくして、黄帝は「人類」を創出し、世界変革を試みるが……。美少女仙人×ヘタレ神コンビによる新たなファンタジー冒険譚、開幕。

僕僕先生 零 (新潮文庫nex)
仁木 英之
新潮社
2014-12-22
定価  637円
317ページ

――あなたは、死んでいないと言い切れますか?
私、死んでいるの? はい。ご愁傷様です。梶真琴が、喫茶店で耳にした不可解な会話。それは、保険外交員風の男が老婦人に契約書のサインを求めている光景だった。男は、死んだことに気づかぬ人間を説得する「死神」だと宣う。漫画家志望で引きこもりの梶は、なかば強引に死神業を手伝わされることに。最期を迎えた人々を問答無用であの世へ送る、空前絶後、死神お仕事小説!
259ページ

第152回芥川賞・直木賞(平成26年下半期)の候補作が、2015年12月20日に決定しました。

≪第152回芥川賞≫ 候補作は以下の五作です。
上田岳弘(35)「惑星」(新潮8月号/「太陽・惑星」新潮社 2014/11/27★)
小野正嗣(44)「九年前の祈り」(群像9月号/「九年前の祈り」講談社 2014/12/16)
小谷野敦(51)「ヌエのいた家」(文学界9月号)
高尾長良(22)「影媛(かげひめ)」(新潮12月号)
高橋弘希(35)「指の骨」(新潮11月号/「指の骨」新潮社 2015/1/30)

≪第152回直木賞≫ 候補作は以下の五作です。
青山文平(66)「鬼はもとより」(徳間書店 2014/9/10)
 ・剣は役に立たない時代、武家が穀潰しでなくなる方策とは。
大島真寿美(52)「あなたの本当の人生は」(文芸春秋 2014/10/7)★
 ・書くことに囚われた三人の女性たちの先に本当の運命は待ち受けるのか。
木下昌輝(40)「宇喜多の捨て嫁」(文芸春秋 2014/10/27)
 ・戦国時代の備前・備中を舞台に、乱世の梟雄・宇喜多直家をとりまく物語。
西加奈子(37)「サラバ!」(小学館 2014/10/29)★
 ・一家離散。親友の意外な行動。恋人の裏切り。自我の完全崩壊――。
万城目学(38)「悟浄出立」(新潮社 2014/7/22)★
 ・中国の古典に現れる脇役たちに焦点を当てた連作集。

選考会は2015年1月15日午後5時から、東京・築地の新喜楽で行われます。
★は、このブログで紹介したミステリー・SF寄りの作品。

太陽・惑星
悟浄出立
サラバ! 上


 






 

日本SF大賞受賞の実力派が紡ぐ、至高のファンタジー。生命の坩堝たる熱帯雨林、その林冠部で少女たちは生きる。海洋SF『華竜の宮』で脚光を浴びた著者が、未来を見つめて描く森の物語。  ●  文藝春秋 予価 1,620円 
 
☆ 著者の他作品
 

大田区の路上で発見された女性の全裸遺体。殺人事件として捜査一課七係強行班が動き始める。被害者は経営コンサルタントの坂上実咲。その名前は、捜査一課に二年前の痛恨の記憶としてのこる「金融ブローカー殺害事件」を呼び起こした。被害者の身辺調査を進める中で、二年前の事件をきっかけに辞職した捜査一課中本班の元刑事・沢崎の名前が挙がった。奔放な被害者の異性関係、捜査は難航する中、捜査一課は、中本班・強行班の二班合同体制をとる。愛人の会社社長、山代組、ホスト、婚約者、覚醒剤の売人……被害者のまわりに蠢く人間たちと欲望、刑事同士の思惑……、二年前の記憶と闇に消えたもの。女が最後まで守り続けた光とは。刑事たちは、何を求め、何を探し続けるのか。警察小説の名手が満を持して放つ、捜査一課シリーズ最高傑作。  ●  講談社 予価 1,728円

☆ 著者の他作品


賭け金は「内臓」…。予測不能のギャンブル小説シリーズ、開幕! 負けがこんだ男の代打ちを頼まれたギャンブラーの古賀。ゲームは現金の代わりに自分の臓器を賭けることができ、依頼主はすでに4つの臓器をとられていた。自分の臓器をカタに勝負に望む古賀。勝負の行方は?   ●  角川文庫 予価 648円 

☆ 著者の他作品
ハンザキ
両角 長彦
双葉社
2014-02-19
 

このページのトップヘ